あの頃の俺に一言

あの時の自分に、今ならなんて言う?

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■ 1999年、面接帰りの俺へ

圧迫面接って言葉、あの頃よく聞いたな。何を言われたかはもう忘れたけど、帰りの電車でずっと下を向いてたのは覚えてる。 帰ったらまた手書きの履歴書だろ。最後の一行で間違えると嫌になるよな。 とりあえず昼飯は食っとけ。空腹のまま考えても、ろくなことにならない。

■ 二十歳の俺へ

その革ジャン、まだ着てる。 買っていい。

■ 新入社員だった自分へ

「採ってもらえただけありがたい」と、自分でも言っていましたね。募集を見つけては応募して、ようやく決まった会社でした。 わからないことも、わかった顔で聞いていた気がします。パソコンの横に、教わったことを書いた付箋を何枚も貼っていました。 隣の先輩は少し怖かったけど、質問するとちゃんと答えてくれる人でした。機嫌が悪いのと、質問してはいけないのは別だったんですね。当時の私に言っても、やっぱり顔色をうかがってしまうでしょうけど。

■ 写真を撮られるのが嫌だった俺

集合写真で変な顔するな。普通の顔の写真が一枚もないぞ。 いや一枚あったけど目つぶってた。

■ 実家に電話しなかった頃の私へ

駅の公衆電話から、実家にかけたことがありました。財布にはテレホンカードが何枚か入っていたと思います。 「正社員の仕事は見つかった?」と聞かれるのが嫌で、こちらからはあまりかけなかった。母も途中から聞かなくなりました。 あの頃の自分に、もっと親孝行をしろとは言いにくい。余裕がなかったのは知っているので。ただ、夕飯に何を食べたかくらいは話せたかもしれない。

■ 好きな子にCDを貸した俺へ

ミスチルだったかスピッツだったか、貸したCDはもう覚えてない。 「MDに録ったら返すね」って言われて、毎日ちょっと期待してたな。 結局返ってこなかったけど、まあ貸してやれ。あの頃しばらく楽しかったじゃん。

■ 一人暮らしを始めた僕へ

でかい鍋を買う前に、小さいフライパンを買ったほうがいいです。 あと、座椅子は実物に座ってから。 将来のことは自分でもまだよくわからないので、とりあえず家具の助言だけしておきます。

■ 仕事を辞めた日の自分に

辞めて正解だったかは、今も断言できないです。そのあとも結構大変だったから。 ただ、あのまま勤めていた場合の自分を想像して、今の自分と比べるのはもうやめました。想像のほうだけ都合よく昇給させたり、いい上司に会わせたりしていたので。 あの日は帰って、いつもより早く風呂に入りましたね。そこはよく覚えています。

■ 夜中にラジオを聴いてる俺

オールナイトニッポン、カセットに録ってたな。誰の曜日だったっけ。 寝ろ、と言いに来たんだけど、ちょっと俺も聴く。

■ 父親になったばかりの俺へ

抱っこしても泣きやまないので、自分では駄目なんだと思っていますね。 その子、お母さんが抱っこしてても普通に泣いています。 抱っこの仕方がわからなくて、腕だけでずっと支えていた気がする。肩も腰も痛かった。もう少し人に聞けばよかったけど、聞いたところですぐ上手にはならなかったでしょうね。 子供の顔より、抱っこして立ったまま見ていた台所の時計が浮かびます。長い夜でした。

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